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第39話 レン(緑)のひらめき②

Aвтор: 来須みかん
last update Последнее обновление: 2025-03-28 12:41:33

レンの言葉が理解できず、穂香は首をかしげた。

「正解って、皆と友達になればいいってこと?」

「そうです。穂香さんの才能について、私が話したことを覚えていますか?」

「えっと…」

穂香はレンの言葉を思い出す。

「確か、レンがいる未来では、すべての人に必ず突出した才能や、神がかり的な能力があることが証明されていて、私の才能は【私が選んだパートナーを、最高に幸せにできる】だったよね?」

「そうです。ですから、未来では、人類を滅亡させない相手と穂香さんをくっつけようとしていました」

「じゃあ、友達じゃダメなんじゃない?」

「2%」

「え?」

緑色の瞳は、どこまでも真剣だ。

「人類滅亡の原因を作ってしまう穂香さんを、未来人達が消すことができなかったのは、あなたがいなくなるとこの世界の幸福度が2%も下がるからです」

「あー……。そういえば、そんなことも言ってたね。よく分からないけど」

「これは、言い換えると、あなたと関わるすべての人は、大なり小なり幸福を感じているということになります」

「は? それはさすがに嘘だよ。だって、私、今のクラスに友達がいなくて困ってるのに……」

穂香としては、自分と一緒にいて幸福を感じられるのなら、友達がたくさんいないとおかしい。

「穂香さんの才能は他人を幸せにすることなので、自分が幸せになるには自分で頑張るしかありません」

「な、なんて使えない才能なの⁉」

「そうでもないですよ」

レンは、指でメガネを押し上げた。

「私は今まで、恋愛のサポートをしようとしていたので、穂香さんが恋愛候補と交流するとき、私はその場にいませんでした」

「どうして?」

「どうしてって……。異性の幼なじみとべったり一緒にいる女性を、恋愛対象に見るのは難しくないですか?」

「それは、そうだね」

レンなりに、穂香の恋愛が成功するように、気を使っていてくれたようだ。

「しかし、今回は私が穂香さんの恋愛相手なので、ずっとあなたの側にいました。そして、つい先ほど気がついたのです」

「何を?」

「あなたが、どのようにして、他人を幸せにしているのかを」

穂香はゴクリとつばを飲み込む。

「まだ仮定の段階ですが、おそらくあなたは【相手の人生を良い方向に進ませる言葉】を発しています」

「そんなこと言ってないよ?」

「もちろん、あなたは無意識です」

レンは、穴織にイケメンと教えたことや、先生に『
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    穴織は、穂香の腕をつかむと、人がめったに来ない非常階段の踊り場まで連れて行った。「何が目的や?」冷たい声だった。「お前……白川さんに成り代わってんのか? それとも、『白川穂香』なんていう生徒は、初めからおらんかったんか?」「え?」穂香が、戸惑いながら穴織を見つめると、サッと視線をそらされた。「ほんま、最悪や。警戒していたはずやのに、いつの間にか心を許して、友達やと思ってた……」胸ポケットからは『むしろ、それ以上の好意が芽生えそうじゃったからな。いや、もう手遅れか? 最悪の初恋じゃのう』とのんきな声がする。無言で胸ポケットを叩いた穴織は、ハッとなった。「もしかして、ジジィの声も、ずっと聞こえてんのか?」穴織は、胸ポケットから光る武器を取り出した。小さくなっていた武器は、取り出したと同時に元の大きさへと戻る。「どこからが計画や」穂香が一歩、後ずさると、穴織は一歩近づく。「どうして、俺に近づいた? 早く言わんと……」壁際まで追い詰められた穂香は、穴織から放たれる殺気のようなものに圧倒されて声すら出せない。(い、言わないと、殺される!)なんとか声を絞り出す。「……ぁ、わ、私……」穂香は、自分が恋愛ゲームの世界に閉じ込められていることを話した。

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    【同日 朝/生徒会室前】(生徒会室までとばされてる)生徒会室の扉もバラの花で飾られていた。(穴織くんは、中にいるのかな?)穂香が生徒会室の扉をノックしようとすると、背後から口をふさがれ、後ろに引っ張られた。すぐに耳元で「なんで来たん! 白川さん!」と怒った声が聞こえる。「穴織くん? だって」「だってやない!」穂香が素直に「ごめんなさい」と謝ると、穴織は「あっいや、俺もごめん」と言いながら拘束を解いてくれた。「そりゃ気になるよな。ちゃんと説明できんくてごめん」どこか悲しそうな顔をしている穴織に、「ううん、私のほうこそごめん」と再び謝る。「俺な、ちょっとやらなあかんことがあって……。白川さんを巻き込みたくないねん」「……分かった」穂香は、もう一度「ごめんね」と伝えると、その場をあとにした。とたんに風景が変わる。【同日 朝/3階廊下】(学校の3階に飛ばされてる?) 3階には、3年生の先輩方のクラスがある。(どうしてこんなところに?)不思議に思って辺りを見回すと、黒髪の女子生徒がおまじないの紙を握りしめていた。(あの先輩も、おまじないをしたんだ)きっとおまじないに頼りたくなるくらい好きな人がいるのだろう。(女子生徒って久しぶりに見た気が……あれ?)恋愛相手しか見えないこの世界で、女子生徒が見えるという違和感。(見えるということは、あの先輩はモブじゃなくて、重要なキャラってことだよね? でも、恋愛相手ではないということは……)穴織は、おまじないをこの学校に広めた人物を探している。そして、穂香がその犯人候補になっていた。(私は無実だから、じゃあ、この先輩がおまじないを広めた人ってことなのかな?)そうではなかったとしても、重要な人物には変わりない。穂香は先輩に気づかれないように、そっとその場を離れて穴織の元へ向かった。まだ生徒会室前にいた穴織に駆け寄り「怪しい人を見つけたよ! 3年の先輩で」と急いで報告する。この時の穂香は、犯人らしき人を見つけた喜びで頭がいっぱいになっていた。戸惑う穴織の腕を引っ張り、先ほどの先輩がいた教室の近くへと連れていく。黒髪の先輩をこっそりと見せると、穴織の胸ポケットから『わずかだがあの娘から瘴気が溢れておる』と聞こえたので、穂香は嬉しくなった。(これで私が無実だと証明できたかな? お役に立てた

  • 恋愛ゲームの世界から脱出する方法はイケメンからの告白!?   《06番外編》もし、穴織と恋愛していたら⑤

    【同日 夜/自室】(学校の教室から、夜の自室までとばされてる。これは、もう早くおまじないをしろってことだよね)穂香の目の前におまじないをするかしないかの選択肢が現れたが、迷うことなく「する」を選んだ。(確か、この紙を枕の下に入れて寝るんだっけ?)枕の下におまじないの紙を入れてから、穂香はベッドに仰向けになった。これで好きな人の夢が見れるらしい。(そんな都合のいいことが……。たぶん、起こるんだろうなぁ、ここは恋愛ゲームの世界だし)目を閉じると、すぐに眠りに落ちていった。*【夢の中/教室】(あっ、無事に夢が見れたみたい)教室には、穂香の他にもう一人いた。(誰だろう?)真っ白な服に、同じく真っ白な帽子をかぶっている(軍服のような、着物のような……)白い軍帽の下では、長い赤髪が風に揺れていた。切れ長の赤い瞳に冷たい横顔。それは、確かに見覚えがあった。「もしかして、穴織くん?」穂香の問いかけに反応して、こちらをふり返った人は、確かに穴織の顔をしている。しかし、その顔からは表情が抜け落ちていた。「えっ? 穴織くん、だよね?」うつろだった赤い瞳の焦点が、徐々に定まり「……白川さん?」と呟いたとたんに、いつもの穴織の顔になる。「どうして、白川さん

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